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お知らせ

行政視察/1日目

行政視察で千葉県柏市に来ています。


人口約43万人の柏市は、東京都心部から約30km圏にありベッドタウンとして人気のあるエリアですが、都心から放射状に広がる広域幹線道路が交差する交通の要衝でもあり、千葉県北西部の商業地域として2035年まで人口増加が見込まれている都市です。

しかし同時に、北九州市にとっても大きな課題の一つである住民(特に高齢者)の交通手段の確保を課題としている街でもあります。

利用者減に伴い東部地域の民間路線バス2路線が廃止になり、公費を投じてコミュニティバスを運行しましたがやはり利用者が少なく平成25年3月に廃止。

生活交通の廃止に伴い代わりに登場したのがオンデマンド交通システムを導入した予約型相乗りタクシー『カシワニクル』。この運用状況等について学ばせていただきました。

【 カシワニクル概要 】

●まずは電話で会員登録

(登録無料/住所・氏名・電話番号・生まれ年で登録完了)

●乗車予約(1週間前〜1時間前まで)

●乗降場所:区域内約500箇所

 ※家の近くのごみ収集所単位くらいのイメージ

●利用料金:300〜500円


限りなくドアtoドアに近いサービスを目指したこのシステム、すごい!と思いました。導入から現在まで利用者数は年々確実に伸びていっているそうです。

このシステムが可能になった背景として、東京大学が柏市をフィールドとしたオンデマンド交通実証実験を平成18〜20年度まで実施していたことも大きかったそうですが(実際に現在は東大初のベンチャー企業がシステム運用を担っています)、同時に既存の交通事業者との共存への配慮、タクシー事業者との勉強会や協力関係の構築など「持続可能な運行」への皆さんの尽力あってのことです。

しかしながら、ネット予約システムは整っているものの高齢者に利用が困難で電話予約が主軸であることや、認知度をもっと広げる必要があるなどまだまだ課題も多いということでした。

それでも500箇所近くの乗降場所を可能にし、更に効率よく利用者を乗せることができるシステムは素晴らしいと思いましたし、導入費用を抑えられたことによって柏市の支出額も削減するなど交通政策の取り組みとしてはとても良い実施例を学ばせて頂きました。

ちなみに、他人事とは思えない課題が柏市には他にもありました。

主要駅である「柏駅」前、7年前に閉店した「SOGOそごう」が今もそのままになっており、市もこの課題について少しずつ動き出しているというお話も伺いました。この問題も併せて、今後も注目していきたいと思います。

他都市の事例から学ぶこと、参考にすること、省みて自分の街を改善していくヒントを得ること。そしてそれらを活かして北九州市に反映させること。

本日もしっかり学ばせていただきます。

※追記 300円〜500円の単価で採算が取れるのか、とのご質問をコメント欄でもDMでもいただきました。ありがとうございます。

 結論から言いますと、最低限の採算性が維持できるように運行業務委託という形で、受託したタクシー会社に対して公費負担がなされているとのことです。それでも、タクシー会社にとってはトントンの状況。今後の課題は、もっと利用者を確保し、タクシー事業者による将来の自主事業化を目指しているとのことでした。今後の展開についても、リサーチしていきたいと思います。ありがとうございました。